朝ごはんは太らない?朝食抜きと朝食ありはどっちが正解なの?

みなさん朝ごはんは食べる派ですか?食べない派ですか?
忙しくて朝ごはん食べない人も多いと思いますが、ダイエットする人に浸透しているのは「朝ごはんは食べたほうがいい」「朝ごはんは食べないと太る」、などという情報だと思います。

でも、私は食べない派です!それは、実際に食べる生活をしてみて食べないほうが調子がいいからです。

朝ごはんを食べるほうがいいという情報は真実なのか?
なぜこんなに朝ごはんを食べたほうがいいと理由が浸透したのかも踏まえながら結論を出していこうと思います。

朝食を抜くと太るや学力が低下するという統計結果の信ぴょう性

文部科学省による統計結果で、朝食を食べたほうが頭がいいなどと言われたり、アメリカでも朝食を抜くことの危険性を論じている論文などもあります。

ですが、ここで注目をしたいのは根拠になっている研究は観察研究がほとんどで、いわゆる※ランダム化比較試験が行われていないため、根拠薄弱ではないかということです。

※ランダム化比較試験
最も信頼性が高いといわれている試験方法で、「関連性を調べようとしている因子(予防法や治療法など)」を実施するグループと、実施しないグループとに対象者をランダムに振り分けて、その結果を比較します。
ここでポイントなのは、比較するグループ間では、「関連性を調べようとしている因子」のみが異なり、その他のさまざまな因子はグループ間で変わらないという点です。
詳しくはこちらを参考にしてみてください。

なので、観察研究では「朝ごはんを食べた子供のほうが頭がいい」と統計結果を提示されても、成績と朝食が直接結びついているとは言えず、朝食を食べるようなちゃんとした家庭のほうが子供を塾に入れていたり、親が子供の宿題をちゃんと見てあげている確率が高かったなどほかの要因が関係している可能性があるので、正確な実験結果とはいいがたいのです。

太るに関しても同じことが言え、朝食をしっかり食べるような人はしっかりしている、食べない人はだらしない生活を送っているなどが想像できるため、朝食が原因で太っているとは言い難いのです。

結局朝食は食べたほうが太るのか?食べないほうが太るのか?

それでは観察研究ではなく、ランダム化比較試験の研究結果をみてみましょう。

ブリガムヤング大学が、49名の女性を対象に朝食を抜く生活をしばらく続けると、体にどのような変化が起きるのかということを調べてくれています。

対象にした人
普段は朝食を食べたり食べなかったりという、わりと不規則な女性49名

実験期間
4週間

実験内容
A・朝食あり
片方のグループは朝食ありで、午前8時半よりも前に朝食を食べます。
朝食の量は、1日の総摂取カロリーの15%程度で、一般的な朝食の量かと思われます。

B・朝食なし
もう一方は朝食なしで、午前11時半になるまで何も食べないグループです。

計測
AとBに分けて、そのうえで全員の体脂肪率を誤差が少ないと言われているDXA(Dual energy X-ray Absorptiometry)で計測しました。
また、毎日の運動量も活動量計で測っていました。

実験結果

朝食を食べたAグループは朝食を抜いたBグループよりも一日の総摂取カロリーがかなり多く、266±496キロカロリーの差でした。
さらに、朝食を食べたグループの体重増加を見ると、0.7±0.8 kg増えていました。

また、筋肉が増えたのでは?と思う人もいるかと思いますが、増えた体重のうち83%は体脂肪でした。
つまり、ただ普通に太っているだけということです。

さらに、朝食を食べているグループは、糖質の摂取量がかなり増えていました。

この実験からこれらの説は間違っていることがわかります。

■朝食を食べないと、体が栄養をため込もうとして食欲が増して、昼や夜に食べ過ぎてしまうので、朝食は食べるべき
■朝食を食べないと、食べている量が同じでも体がより多く栄養を吸収しようとするので、同じ量を食べても太りやすくなる

また、朝ごはんを食べた方が、頭も回るし身体も動くという人もいますが、朝食ありのグループもなしのグループも一日の活動量に差はなく、朝食を食べても食べなくても1日に動く量は変わらないことがありませんでした。

朝食を4週間も抜くというと、かなりの空腹感に悩んでいるのではないかと考える人もいるかもしれませんが、人間は慣れるものなので、特に空腹感の増加もありませんでした。

まとめ

■朝食を抜くと太る説はウソ!
■朝食を抜いても活動量・空腹感に変化はなく、特に害はない
■朝食を抜いた分のカロリーがカットしたので、痩せた→朝食に関係なしに 摂取カロリー<消費カロリー=痩せる というシンプルなものだった。

「朝食を摂らないと頭が働かない」は本当?

朝食を摂らないと頭が働かない、朝食を食べるこの方が朝食を食べない子より頭がいいなど、昔から言われていますね。
学校のアンケートでも「毎日朝ごはんを食べていますか?」の項目があったし、朝食を食べないのは悪いことのように教えられてきました。
では、これは本当なのかもう少し詳しく説明していきましょう。

朝食を食べると脳が働くと言われているのはなぜ?

朝食を食べると脳が働くと言われている理由、それはパンやご飯によって生み出されるブドウ糖脳のエネルギーとして重要なものだからです。

じゃあ朝食を摂らないと脳の燃料がなくて動かないの?

答えはNOです。

人間は飢餓の歴史が長かったため、直接摂取しなくても体内で「糖」を作り出すシステムを持っています。

脳の大きさは体全体の2%と小さいですが、体全体のエネルギーの20%を消費する大食いの器官なので、エネルギー不足にになり死なないよう、2重、3重でエネルギーを生み出すシステムが元から備わっているのです。

人間は機械ではないので、「 燃料が無い = 動かない 」ではありません。

栄養学は人間を機械のように考えていた為、このような単純な理論が広まってしまいました。

本当に「食事をとらなくても脳が働く」のかを実験で確かめた結果

人間は本当の燃料がなくても脳が働くのかを確かめるべく、
「断食中脳は何をエネルギーにしているのか?」をカナダのオーエンス博士という博士が、実験をしました。

その結果、脳のエネルギーとなる、ご飯、パンから生み出されるブドウ糖は、全体の30%しか利用されておらず、残りの多くのエネルギーは、肝臓から作られるブドウ糖(糖新生)や、脂肪を原料に生み出される「ケトン体」といった別の活動により生み出されていたのです。

つまり食事から摂取した燃料より、体自ら作り出す燃料の方が多いことがわかりました。

朝ごはんを食べないと午前中の授業に集中できない?

朝食をを摂る多くの人が「朝ごはんは午前中のエネルギーになる」と考えていますが、実際は白米やパンに含まれる糖が脳のエネルギーになるまでには、4時間~6時間かかるので、朝食は午前中のエネルギーにはなっていないという衝撃的な事実も。

朝ごはんを食べる子の方が成績がいい?

出典:文部科学省「平成20年度全国学力・学習状況調査」

「朝ごはんを食べると成績が上がる」、「朝ごはんを食べる子の方が、食べない子より成績がいい」なんて言われています。
確かに↑のグラフを見ると、朝食を食べない子より食べる子の方が成績がいいです。

最初にお話をしたように、これは観察研究のため朝食が成績に本当に影響したとは言い難いということです。

ニューヨークでの実験結果

日本ではないですが、ニューヨークでは次のような実験結果が報告されています。

学校が直接、朝食を提供することで体重、成績、出席率への影響を調べたが、期待されていた成績の向上も、恐れられていた体重の増加もみられなかった。
引用:http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160401#p10

つまり、朝ごはんを食べると成績が上がるはウソということがわかりますね。

まとめ

・食事から脳のエネルギー源である「ブドウ糖」を摂取しなくても、人間は自らエネルギーを作り出すことができる。
(裏付け:断食中、人間は食事から摂取したブドウ糖の30%しか利用しておらず、残りは自らエネルギーを生み出していた。)

・朝ごはんを食べないと午前中の授業に集中できないというが、朝ごはんをしっかり食べていても脳のエネルギーになるまで4~6時間かかるので、それが午前中のエネルギーになることはない。

・朝食を食べたからと言って成績があがるわけではない。
(裏付け:ニューヨーク市で朝食を提供し調べた結果、体重、成績、出席率、どれも変化はなかった。)

つまり、朝ごはんを食べないと頭が働かないというのはウソだということがわかりました。

朝食を食べないと便秘になるは本当?

朝ごはんを食べて、トイレに行ってから仕事に行くという人も多いかと思います、
朝食をとらないと便意がこないという人も多いでしょう。

しかし、人体はところてんのように食べたら出るような構造ではありません。

朝食後の便意は「胃・大腸反射」と言うもので、これはコップ1杯の水で起こりますから朝食を摂る必要なんて全くありません。

なので、食べ物を食べなくても、水を1杯飲むだけで充分なのです、

朝食を食べることのデメリット

このように、朝食を食べることのメリットが実はウソだったということがわかりましたが、朝ごはんを食べるデメリットはあるのでしょうか。

1.便秘になりやすい

朝食を食べた方が便秘にはいいと思われていましたが、それは誤解で実は逆だったのです。

小腸のMo細胞から分泌される「モチリン」というホルモンがあります。
これは、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促がし、体内を掃除するホルモンで、空腹時間が8時間以上続いてようやく分泌が開始されます。
このモチリンは 空腹時間が長ければ長いほど体内の排泄機能が高まるのですが、朝食をとるとすぐに分泌を停止してしまうのです。

モチリンが働かない状況ではどうしても宿便を溜め込みやすくなるので、便秘解消のためには朝食は摂取しないほうがいいといえます。

2.朝食が「やる気 起きない 」原因に

朝食を食べないとやる気が出ないと思っている人も多いと思いますが、これは自律神経からみると全くの逆効果だったのです。

人間の自律神経には筋肉の緊張、脈拍や血圧を上げて体を強くする「交感神経」と、逆に血管を広げ血圧を低下させ、体の回復、リラックスを促がす「副交感神経 」があります。

通常、食事をとったら、誰でも一休みしたくなりますよね?
食事をすると消化吸収の効率を高めるために自動的にリラックス時の副交感神経が優位になってしまうのです。

逆に、空腹時は戦う為の神経である「交感神経優位」の状態。
トラなどの肉食獣も空腹になったら狩に出ます。決して空腹時は動けなくなるワケではなく、むしろ戦うエネルギーが沸いてくるのです。

なので、朝から大事な仕事があるのであれば、朝食を食べないほうが「交感神経」が優位になるため効果的なのです。
私もプチ断食(朝食を食べない)を始めてから、午前中の仕事がはかどり頭が冴えるようになりました。

3.食べてすぐの運動が寿命を縮める

朝食をかきこんで自転車で通勤。このように食べてすぐに体を動かす人は注意が必要です。

かつて林業が盛んだった奈良県は日本で一番胃がんの発生率が多い県としても有名で、当時の男たちは茶粥を一日120杯も食べながら激しい労働をこなしていたといいます。

現在になり、その理由の一つは食後すぐの労働にあったとされ、その証拠に40年代のチェーンソー普及に伴い胃がんの発生率も低下していきました。

4.ガンの発生リスクを高める

人間は目を動かす、息をする指を動かすなど、全ての生命活動は「酵素」が媒体となって行われます。
この酵素は摂取したタンパク質や脂質を分解、吸収するための「消化酵素」と、古くなった細胞をを入れ替えたりとカラダの回復を担う「代謝酵素」の2つに分類されます。

酵素は1日に生産される量が決まっていて一方が増えれば一方が減少するように働きます。

前日に外食などで食べ過ぎた翌朝に「疲れが残ってるな」こう感じるのは消化酵素が大きく利用され、体の回復を担う代謝酵素が大幅に減ってしまうことで起こっていたのです。

健康を維持するためには回復を促がす代謝酵素の割合を増やしてあげなければなりませんが、1日3食ではどうしても消化酵素の割合が多くなり過ぎてしまうのです。

ガン細胞は一日に10億個も発生するといわれますが、このガン細胞を早い段階で処理するのが代謝酵素の役割ですから、エネルギー入れるだけでなく、いかに食事をセーブするかということこそ健康に摂って最も大切なことなのです。

「朝食を食べた方がいい」という考えが浸透している理由

朝食には期待されていたメリットが実はウソであることがわかったし、逆に朝食にはデメリットもあることがわかりました。
では、なぜ「朝食は食べた方がいい」という考えがこんなにも浸透していしまっているのでしょうか。

それは、マスメディアの巨大スポンサーが大手食品企業だからに他ならず、彼らに不利益を与える情報は絶対にあってはならないという事情があります。


・2003年の研究で「朝食を食べよう」という研究に対してお金を出している人がいました。
シリアル食品のケロッグ社がこの研究に対してはスポンサーになっています。

「朝食を抜くことの害」を主張している2012年の研究に対してはクエーカーオーツなどのシリアルメーカーがバックにいることが多いです。
海外ではシリアルメーカーがお金を出してこのような研究をしているケースが多くありました。
そう考えるとシリアルメーカーが意図的にこの説を流布した可能性も考えられます。

ですが、後ろにスポンサーがついていると駄目だということではありません。
たまたまそのような企業がスポンサーについていただけということももちろん考えられます。

朝食を食べる食べないで一番ダメなこと

よく知られている朝食を食べるメリットがウソで、朝食を食べないことで起こるデメリットについてもお話をしましたが、それでも長年良かれと思って朝食を食べてきた人には信じがたいことだと思います。

ですが、朝食を食べる、食べないより、一番ダメなことがあります。
それは、食べたり食べなかったりと固定しないこと

朝食の抜くと決めたのであれば、ずっと食べない方がいいです。
また、食べるのであればずっと食べた方がいいです。
一番ダメなことは今日は時間があるから朝食を食べよう、今日は時間がないから朝食を抜こうと、バラバラなことです。

その証拠にコロラド大学の実験で、次のような結果が出ました。

実験内容
肥満の女性35名を対象に、全員の食習慣を調べて、普段朝食を食べているグループと食べていないグループに分けました。
その上で4つのパターンで食事をしてもらいました。

1.普段朝食を食べないグループが、朝食を食べる

2.普段朝食を食べているグループが、いつもどおり朝食を食べる

3.普段朝食を食べないグループが、いつもどおり朝食を食べない

4.普段朝食を食べているグループが、朝食を食べない

その後の空腹感や、体内のインシュリンの値などを調べました。

結果

食習慣を変えると体に良くないことが起きるということがわかりました。

いつも朝食を食べている人が朝食を抜くと、当然一時的には空腹感が増していました。
これは、当然といえますが、なんと普段朝食を食べていない人が朝食を食べると、同じように空腹感が増してたのです。

私達の感じる空腹感は、脳の暴走により起きていることも多いものでいつもとは違う生活スタイルをするとバランスが崩れてしまい、その結果食欲が増えてしまうということです。

なので、朝食を抜くのであればずっと抜いていた方がいいということです。
食事パターンを決めたら変えずに守りましょう。

まとめ

■今まで言われてきた「朝食を抜くと太る」や、「朝食を抜くと頭が悪くなる」は観察研究だったため、根拠薄弱であった。
■ランダム化比較試験(最も信頼性の高い試験方法)で試験したところ、朝食を抜くと太るはウソだということがわかった。
(逆にカロリーが増えた分太った)
■また、学力に関しても、朝食をとった方が成績が上がることはなかったし、朝食をとったからと言ってそれがエネルギーになるまで時間がかかるため朝の集中力が下がることはない。
■逆にデメリットとして、便秘・やる気の低下・癌の発生率を高めるなどよくないことが多かった
■「朝食は体にいい」説が浸透した裏事情として、マスメディアの巨大スポンサーが大手食品企業だからに他ならず、彼らに不利益を与える情報は絶対にあってはならないという事情がある。
■朝食を食べたり、食べなかったりするとバランスが崩れ太りやすくなったりするので、固定することが大切。

ダイエットで一番大切なことは食事制限であり、食欲をコントロールすることが大切です。
食欲コントロールの第一歩として朝食を抜くというところから始めてみるのはオススメです。

空腹時に私たちの体はオートファジーという機能が働きます。
これは、老化したタンパク質や傷ついたタンパク質を掃除してくれる機能で空腹時にしか働きません。

そのため、断食時間を設けた方が若々しい身体でいられると言われています。

結局痩せるかどうかは総摂取カロリーが消費カロリーを上回ってないかなので、できるだけ食べ物を摂取する時間を短くすることが若々しく健康でいるために大切です。
また、体に合わない人もいるとは思いますので合わない人は無理はしないようにしてください。